車検に合わせて、ホイルシリンダオーバーホールしました。356のドラムブレーキはシンプルだけど良く効きます。しかし、いつも安全に停まるためには
メンテナンスは欠かせません。 フロントハブをばらしてみると、右だけテーパーローラーベアリングに交換されていました。オリジナルにこだわるのも良いですが、ベアリングはテーパーローラー の方がガタが出にくいし、路面からの衝撃を点ではなく線(面)で受けるので球受け側へのダメージも少ないのです。 この他、エンジンオイルの交換と、ポイントの交換も実施。 |
07/9/1 |
フロント右です。 シューの形を見ると、パーキングブレーキ用の爪がありますのでリアと同じもの。本来共通なのか?リア用を流用したのか? フロント左のハブは逆ネジでした。ロメオのダンツキ時代のジュリアクーペもそうでした。(余談:ヤマハオートバイの右ミラーもね・・・) |
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07/9/1 |
ホイルシリンダ てこの原理を利用して、シューがドラムに喰い込むリーディング式(佐藤自動車工業所の社長に教わった!)。 フルードの漏れも滲みもなく、割ときれいな状態でした。しかし、開けてみなけりゃまだわかりません。 |
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07/9/1 |
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シリンダの中身 上が現状、下が磨いた後です。交換するのは下の写真の右端に映っているダストシールと、左端から二つ目のオイルシールだけ。 交換しないアルミピストン等はバフ掛けし、汚れや錆を落とします。実はこの磨き作業がシリンダを長持ちさせるためにはとても重要です。 ブレーキがかかる仕組みは、シリンダ内で、スプリング側から油圧が掛かって、オイルシールとアルミピストンを押し出し、ブレーキシューを ドラムに押し付けるのです。 |
07/9/1 |
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シリンダ内も磨きます 専用のブラシをエアドリルに繋いでシリンダ内を磨きます。虫食いや錆もなくきれいな状態でホッとしました。これならまだまだ使える! ピストンの反対側に付いているアジャスタも抜き取って磨き、シリコングリスを塗って組みます。 |
07/9/1 |
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組み付けと調整 シューの厚みはまだ十分残っていましたので、張替えはせずそのまま使うことにしました。摺れる部分等にシリコングリスを塗って組み付けます。 調整はドラムに開けられた調整用穴からマイナスドライバ等を突っ込んで行います。一旦シューをいっぱいまで広げ(ブレーキがロックする)状態にし、 そこから3コマ程度戻します。これをピストンごとに実施します。 |
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おや?これは フロント左のハブキャップの先端に付いているのはスピードメータケーブル。これはVWと同じ構造です。 |
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07/9/1 |
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リアの様子 リアは、貫通したシリンダが一個だけ付いていて、ピストンが両端に入っています。パーキングブレーキが付いていますので、見た目はフロントより複雑。 |
07/9/1 |
エア抜き 最後にエア抜きをして作業完了。356のブレーキフルードのリザーバは、握りこぶし程度の可愛いプラ容器。トランク内にリザーバへのアクセス窓が あります。 ブレーキラインからエア抜きをする際、リザーバが空にならないよう注意します。 それにしてもシンプル極まりないブレーキシステムですが、これが侮れない。良く効くんですよ。 |
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07/9/1 |
リアドラム トラック用ほどの大きさがあり、しかもアルミ鋳造です。フィン付きは356Bからですので、このドラムはB用を流用したのかも。 フロントはフィン無しの356A用が付いていました。 オーバーホール後、試運転したところ、ブレーキのタッチがとても良くなりました。今まではグニャっと踏み込まれていたのが、ダイレクトにブレーキシューを 踏んでいるようなソリッドなタッチに変わりました。 |
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07/9/8 |
ポイント ポイントが焼けていたので、これも交換。写真でもわかる通り、コンタクト部分にニキビが出来ています。これが「焼け」。 今回、バネの強いスーパーポイントなるものに交換しました。点火時期もちょっとズレテいたので調整。 |